シジュウカラ用の巣箱の作り方

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自然観察

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枝の上に、前傾姿勢のシジュウカラがいる。
黒い頭、白の頬、黒いネクタイ柄の模様が特徴的。

昨冬に庭でシジュウカラの姿をみかける機会がありました。ツツピー、ツツピーと特徴のある声につられて庭を見ると、キウイの木の枝に止まり、枝に絡みついた枯れた蔓の実(ヘクソカズラ?)をつついていました。

シジュウカラは住宅街にも出没し、樹洞の代わりに、巣箱を利用することがあるそうです。巣箱を作って置いておけば、もしかしたら庭で営巣してくれるかもしれない。そんな期待に胸をふくらませ、巣箱を作ってみることにしました。参考になれば幸いです。


目次

準備編

制作中の巣箱とドライバーが、青いコンテナの上にのっている。

巣箱用の木材について

ホームセンターに行く

幅12cm、厚さ1.2cm、長さ約130cm」の杉板からの作り方を紹介しています。

ホームセンターに行くと、杉の野地板が安価で置いてあります。もし、適当なサイズの一枚板が売ってなければ、長さは妥協して購入するのもありです。例えば、「幅12cm✕厚さ1.2cm✕長さ60cm」の杉板を3枚購入して作ってもいいでしょう。ただし、値段は少しばかり高くなります。


  • 杉の理由
    (杉は安価で柔らかく加工がしやすく、安価で手に入りやすいからです。そして、耐久性や保温性、保湿性にまで優れています。かといって、特に杉にこだわらなくても、無垢の木なら他でも大丈夫です)

  • 一枚板の理由
    (合板やベニヤ板の巣箱だと、雨風に曝されて剥がれたり、反れる可能性があります)

使用した工具・備品

  • ノコギリ
  • カナヅチ
  • 電動ドリル
  • さしがね
  • ドライバー
  • 木工ボンド
  • 釘(ステンレス)
  • 蝶番(32mm)
  • 蝶番用の木ネジ
  • シュロ縄(巣箱を木に括り付ける)
  • ニスや塗料(好みで。特に塗る必要はない)

巣箱の作成

巣箱の図面

板の切断する箇所が書かれた巣箱の図面。
単位はmm

木材を切断し、組み立て前の段階の巣箱の図面。
鳥取県公式サイトを参考にさせてもらいました。

作業工程

  1. 上図の通りに、板に線を引く。線に沿って切断する。
    (ノコギリを斜めに入れるAのポイントを忘れないように注意)
  2. 巣箱の底板(6)に排水用の穴を5ヵ所、開けておく。
    切断された6つの木板が、地面に並べてある。
    工程1-2
  3. 上図を参考に、板(5)に直径28mmの穴をあける。
    木板に、ペットボトルの呑口を押し付けて、線をひこうとしている。
    ペットボトルの口径が約28mm。
    木板に、ドリルであけた小さな穴がいくつかあいている。
    ホルソーがない場合、ドリルでいくつか穴をあけて抜く。
  4. 開けた穴にやすりを掛ける。
    穴のあいた木板とヤスリが、青いコンテナの上にのっている。
    穴が28mmより大きいと、スズメが巣箱に入ってしまうことも。
  5. 木工ボンドを塗って、釘を打っていく。屋根板(4)だけは残しておく。
    青いコンテナの上に、制作中の木箱とカナヅチがのっている。

  6. 屋根板(4)をのせて、蝶番と木ネジで取り付ける。
  7. 背板にシュロ縄を通す穴を開ける。
    巣箱についた蝶番がアップで写っている。
  8. お好みで塗料やニスを塗る。
  9. 屋根板と側面の2ヵ所に木ネジをつけて、紐や針金を巻く。屋根が開かないように固定する。
    巣箱についた2つの木ネジを、赤いマルがかこんでいる。
    強風やカラスの襲来により、屋根が開くのを防ぐ。
  10. 完成

    完成した巣箱とシュロ縄、ピーナッツリースが、ダンボールの上に置いてある。
    ピーナッツリースを添えて。

巣箱の設置について

巣箱をかける時期

晩秋から冬がおすすめです。
(シジュウカラは春の繁殖期の前に、営巣する場所の候補を見つけておくためです)

個人的には、それ以外の時期に掛けてもいいと思います。というのも、春には巣箱に入らなかったが、二回目の営巣の時期(6月から8月)に入ったという例は結構あるそうです。それならば、春先に掛けても入る可能性はあるでしょう。
また、巣箱を掛けて数年が経ち、やっとシジュウカラが使ってくれたという例もあります。

思い立ったら巣箱を掛けてみて、気長に待つのがよさそうですね。

巣箱をかける場所

庭の樹木、または軒下。
(見通しがいいところを選びましょう。樹木の場合、幹に直接掛けること。雨水が入りづらいように、少しばかり下向きに掛けられる場所がおすすめです)

地上から2.0m~3.0m
こちらの論文には、170cmから230cmの高さにとりつけるのが望ましいとあります。それ以下でもそれ以上でも、スズメと競合する可能性が高くなるみたいとのことです。ただし、ゴルフ場での調査結果なので、庭や住宅街だと変わる可能性もありますね)

木の幹に巣箱がかかっている。
ハナミズキの木にかけてみました。

終わりに

DIY初心者が作ってみて

私のようなDIY初心者でも作れるのかと不安でしたが、工程さえわかれば、意外と簡単に作れました。もし初心者が作るとなると、難易度が高いのは、穴をあける工程だと思います。が、電動ドリルがあれば容易にこなせました。

以前、餌台を作った際に、下地を開けずにいきなり釘を打つと、釘が曲がったり、板が割れたりすることがありました。 電動ドリルがあると、釘打ちの下地の穴あけにも重宝します。とてもおすすめです。


巣箱作成のススメ

今のところ、まだシジュウカラは来ていません。ただ幹に掛かった巣箱を見上げるたびに、私が作った巣箱があそこにあるんだなと、心が弾む気がします。気長に待ってみようと思っています。

以上、シジュウカラ用の巣箱の作り方でした。

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ふき
超がつくほどインドアな人間です。そんな私を外に誘ってくれるもの(自然、史跡、旅行、写真など)について書いています。
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